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血尿の原因、知ってますか?【泌尿器科医が解説】

「あれ?おしっこが赤い・・・?」

血尿が出た経験、みなさんはあるでしょうか。

幸い、ぼくはまだありません。

今回は血尿の原因について代表的なものを解説していきます。

目次

 血尿とは

簡単にいうと、

血尿=血(赤血球)が混じったおしっこ

です。

字をみればそんなことわかるわ!ってかた、

すいません、その通りです笑

この血尿、実は2種類あります。

ざっくりいうと、薄いか濃いかの違いです。

✓ 顕微鏡的血尿

こちらは目で見て、赤いかはわからない血尿です。

顕微鏡でみる検査で赤血球が混じっている場合です。

女性におおく認めます。

年齢が上がるにつれて出てくるひとが増えます。

たまに若い女性が検診でひっかかって外来を受診されることがあります。

✓ 肉眼的血尿

顕微鏡的血尿よりも濃く、

見るからに赤い血尿のことをこう呼びます。

こちらのほうが癌などの可能性が高くなるので、

・40歳以上の男性

・タバコをたくさん吸う

などのリスクがあるひとには膀胱の中をカメラで見る検査を行います。

・だいたいは良性、間違いもある

血尿がでた方は心配になるとは思います。

しかし、上で説明した

顕微鏡的血尿の70%、

肉眼的血尿でも50%

が治療の必要がない原因不明の良性の血尿であると言われています。

 実は、血尿じゃない!!?

検査では血尿という結果でも、実は違うというパターンもあるんです。

以下のような場合です。

✓ 生理

生理中の女性などでは経血が混ざってしまい、

ほんとうは血尿ではないのに赤血球が検出されることもあります。

✓ 運動後

中高生などで多いですが、部活などでガッツリ運動した後に

筋肉の成分がおしっこに混ざることがあります。

これを検査で血尿だと間違えてしまうことがあります。

検診の前の部活はほどほどにしておいたほうが良いかもしれません笑

✓ 薬やサプリメント

飲むと、検査で血尿が出てしまう薬がいくつかあります。

参考までに下に羅列しておきます。

サリチル酸、サルファ剤、ソルビトール鉄、ニトロフラントイン、メチルドパ、レボドパ、メトロニダゾールなど

逆に、ほんとうは血尿なのにそれを隠してしまうものがあります。

それはビタミンCです。

ビタミンCが多い果物や、サプリを採りすぎると

治すべき病気を隠してしまう可能性があります。

 4つの原因

良性ではない血尿のほとんどは4つの原因にわけられます。

それぞれみてみましょう。

がん

肉眼的血尿の場合、特に怪しいです。

膀胱がんや前立腺がんが疑われるので、

おしっこの細胞を調べたり、カメラをつかって膀胱の中を観察したりする場合があります。

尿路結石

おしっこの通り道に石ができてしまうと粘膜を傷つけて血尿がでます。

これを調べるときはレントゲンやCT検査など画像を撮ります。

感染症

おしっこの通り道に感染が起こると、血尿がでることがあります。

多くは膀胱炎が原因ですが、それ以外では腎臓や男性なら前立腺に炎症がおきても血尿を認める場合があります。

これが原因の場合、

抗生剤を処方して治療することになると思います。

糸球体性

むずかしい言葉が出てきました。

“糸球体”っていうのは

腎臓のなかで血液をろ過しておしっこを作るところ

です。

ここに異常があると、血尿がでてきます。

変形した赤血球や、尿たんぱくが増えている場合がうたがわしいです。

 何科にかかればいいの?

血尿が出たとき、どの科にかかればいいか悩む人もいるかもしれません。

基本的には見るからに赤い血尿が出たら、”泌尿器科”で良いと思います。

尿路結石、悪性腫瘍などはわれわれの分野になります。

他にも泌尿器科の病気で血尿になるものもあるのでそれらも調べることができます。

もしくは”腎臓内科”にかかってはじめにいろいろ精査してもらうのもよいかもしれません。

上に書いた”糸球体”に異常がある場合や、普通の膀胱炎などであれば

腎臓内科の先生が適切な対応をしてくださるはずです。

検診でひっかかったり、顕微鏡的血尿があるときはとくにオススメです。

 まとめ

いかがでしたか?血尿について理解できたでしょうか。

それではまとめです。

・血尿=血(赤血球)が混じったおしっこ

・検査が間違いであることや、良性の場合もある

・肉眼的血尿は泌尿器科、顕微鏡的血尿は腎臓内科に受診を

以上です。

それではまた。

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この記事を書いた人

とある都市で働く現役泌尿器科医。一般の方に泌尿器科の病気をわかりやすく伝えるためにブログを開始。

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