こんにちは。うろろです。
近年、不妊治療が保険適用されそうだったり、男性不妊がテーマの映画が公開されたりなど
「不妊」が世の中の注目を浴び始めてきています。
もちろん、国が対策に動いているのは少子化を解決したい、という狙いもあると思いますが
不妊に悩むカップルの金銭的な負担が減るというのはいい流れだと
個人的には思っています。
さて、今日は不妊のなかでも特に「男性不妊」について
泌尿器科医として解説していきたいと思います。
悩んでいる方やそうでないひとの理解が少しでも深まればうれしいです。
それでは、いってみましょう!!
・意外と知られてない男性不妊
<どうなったら不妊?>
かの有名なWHOによると「不妊」というのは
避妊しない性行為を1年間行っても、子供ができないこと
という定義のようです。
だいたい8組中1組のカップルが、不妊症だという報告もあるようです。
思ったより多くてびっくりしました。
<男性不妊の割合>
そんな不妊ですが、なんとその半分は男性に原因があることがわかっています。
その割に、世の中では女性の不妊ほど男性不妊が広まってない気がします。
もう少し認知度が広がるといいですねー。
・3種類の原因
さて、この男性不妊ですが、おおきく3つの原因にわかれます。
それぞれ解説します。
精子が作れない
男性不妊ではこれが原因のものが80%といわれています。
つまりは何かが原因で正常な精子を体で作れない、という状態です。
そのうちの半分は原因不明で、3割が精索静脈瘤という病気です。
残りは生まれつきの染色体の異常、キャン玉の炎症、停留精巣などが原因のようです。
半分が原因不明って・・・やりきれないですよね。
精液が出てこない
2つめの原因は、精液が作られて、それがからだの外に出るまでの通り道がふさがっている状態です。
これは男性不妊全体の5%ほどといわれています。
原因には、パイプカット、小さい頃の手術で傷ついた、通り道の炎症、生まれつき塞がっている、などです。
セックスができない
これは男性不妊の15%ほどといわれています。
精子は問題なく作られていて、通り道にも問題はない
しかし、勃起や射精などセックスなどに関わる部分に問題がある
というパターンです。
勃起障害はいわゆるEDってやつですね。別の記事でも解説してますので読んでみてください。
・治せるもの、治せないもの
さてここまで男性不妊のいろんな原因を書いてきました。
ひとつみなさんに覚えてもらいたいのは、こうした男性不妊には
“治せるもの”と“治せないもの”があるということです。
例えば、精索静脈瘤などは手術で治療ができますし、
通り道がふさがっていても精子がちゃんと作られていれば、手術で直接とってくることも可能です。
精子の数がすくなければ体外受精で妊娠可能かもしれません。
しかし、染色体などに異常があり、精子がうまれつき全然作られないような場合など、
なかには治療が難しかったり、妊娠することが困難なものもあります。
どちらにしても詳しい検査をおこなわなければわからないことなので、
不妊に悩むカップルには専門の医療機関を受診していただければと思います。
・まとめ
男性不妊のこと、少しは分かっていただけたでしょうか。
不妊はなかなかほかの人にも相談しづらくて、
夫婦だけで抱えてしまうひとも少なくないかもしれません。
専門家などに気軽に相談できる世の中になればいいなと思います。
本日のまとめです。
・実は、不妊の半分が男性不妊。
・原因は3つ。作れない、通れない、出せない。
・治せる可能性もあるので、ぜひ専門家へ相談を。
それでは、また。
コメント