こんにちは、うろろです。
以前、過活動膀胱の原因や検査について記事でまとめました。
そこで今回は具体的な5つの治療法について解説したいと思います!
いってみましょう!!
・生活習慣を変える(飲水制限、膀胱訓練、骨盤底筋訓練)
まずは、基本的な治療として生活習慣の改善があります。
患者自身の生活で改善できる方法を解説します。
✔ 飲水制限
過活動膀胱の症状には頻尿がありますが、これがお水など水分のとりすぎによって起こっている場合があります。
これを調べるために尿検査や、1日の飲水量や尿量を調べます。
明らかに水分をとりすぎていると考えられる場合は、飲むお水の量を制限してもらいます。
✔ 膀胱訓練
これはなにかというと、少しずつおしっこの間隔を広げることによって
膀胱がおしっこをためられる量を増やすやり方です。
要はがまんする訓練ですね。
症状の強い患者さんには、かなりしんどいかと思います。
✔ 骨盤底筋訓練
こちらは、尿漏れを防ぐために骨盤の筋肉を鍛える方法です。
歳をとると、骨盤の筋肉が衰えてくるので
おなかに力が入ったときにおしっこが漏れやすくなります。
特に女性に多いので、尿がもれてしまう女性にこの訓練はオススメです。
効果が出るまでおよそ3カ月かかりますので、
長い目で頑張ってもらえればと思います。
具体的なやり方などはチャームナップさんのYoutube動画がわかりやすかったので
下に貼っておきます。ぜひ参考にしてみてください!!
<医師監修 >尿もれ対策に!骨盤底筋トレーニング【チャームナップ】(5分49秒) – Bing video
・くすりでの治療
✔ 抗コリン薬
おしっこに行きたくなるとき、ひとの体では副交感神経の一部が膀胱に働きかけます。
この副交感神経から膀胱に伝わる“アセチルコリン”を遮断するのが“抗”コリン薬と呼ばれるものです。
これにより、勝手に膀胱がちぢむことを防いだり、
膀胱がおしっこをためられる量を増やす効果などがあります。
長い間泌尿器科で愛されてきたこの薬ですが、
この薬を飲むと認知症を将来発症しやすいということが最近わかってきたので
高齢者に対して使いづらくなっており、
やや人気は下火となっている状態です。
かなり症状がつよいかたには処方することもありますが、
今後の使いかたが議論されそうなくすりです。
✔ β3作動薬
こちらの薬は膀胱の筋肉をゆるめることでおしっこをためる量を増やす薬です。
副作用として頻脈や不整脈などに注意が必要ですが、
抗コリン薬に多い口が乾く、便秘などの副作用が少ない薬になってます。
上で書いたように抗コリンには認知症の問題がありますが、
こちらの薬は特にそうした副作用があるとは言われていないので
使いやすいおすくりになっています。
・ニューロモデュレーション
こちらはあまり聞きなれない言葉かと思います。
簡単に言えば、磁気や電気をつかって神経を刺激する治療法です。
✔ 磁気刺激療法
欧米でとくに広く行われている治療です。
なかなか治りづらい過活動膀胱や、副作用で薬が使えないひとに適用されます。
からだの外側から電流を流すことによって、骨盤の筋肉や神経を刺激します。
からだに負担がかからないのが利点だと思います。
日本でも2014年に保険適応になっています。
✔ 仙骨神経刺激療法
骨盤の骨である仙骨に電極を埋め込んで、排尿に関わる仙骨神経を刺激するという治療です。
埋め込むには外科手術が必要になります。
事前に治療効果があるかを確認するために1-2週間ほど試験的な神経刺激を行います。
ここで効果を認めた場合だけ、埋め込む手術を行います。
日本でも2017年から保険適応になっています。
詳しい内容は以下のサイトなどから見てみてください。
仙骨神経刺激療法(SNM)〜過活動膀胱の新しい治療法〜 | 医療法人社団實理会 東京国際大堀病院 (ohori-hosp.jp)
・ボツリヌス毒素膀胱内注入療法
ボツリヌス毒素という恐ろしい毒をみなさんご存じでしょうか。
ボツリヌス菌が生み出す毒素のことで神経を麻痺させてしまう効果があります。
実はこの毒素、医療のところどころで使われています。
例えば、顔面のけいれんが起こってしまう人に注射したりなどです。
この毒素を膀胱の壁に注射するのがこの治療です。
ただし、効果が持続する期間は半年から1年といわれているので、
繰り返し投与しなければいけないことが問題です。
・まとめ
過活動膀胱の治療について理解していただけたでしょうか。
生活習慣を変えることから、手術まで、5つの治療法を解説しました。
そのひとの症状や希望などを踏まえて、生活に合わせた最適な治療を
選択していけるのが理想だと思います。
それでは今回のまとめです。
・過活動膀胱の治療は、自分でできるものから手術まで幅広い種類がある
・症状や生活に合わせた治療法を選ぶのがよい
それでは、また。
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