こんにちは、うろろです。
泌尿器科の外来には、いろんな患者さんが来ますが、
「おしっこがガマンできない!」という訴えのかたは多いです。
今回はそうした症状の原因として多い“過活動膀胱”について解説しようと思います。
それでは行きましょう。
・どういう病気?
尿漏れなどを専門とする国際禁制学会というものがあるんですが、
その学会による定義では、過活動膀胱とは、
「尿意切迫感を主症状として、しばしば切迫性尿失禁をともなう症候群である」
と、されています。専門用語で難しいですね笑
簡単にいうと、
【頻尿があって、おしっこがガマンできなくなる状態】
ということです。
40歳以上の日本人の12%ほど、実に810万人ほどがこの病気であると言われていて、もれてしまうひとはそのうち430万人と言われてます。
かなり多いと思いませんか?
それだけ悩んでいる人が多いということですね。
・過活動膀胱の原因
この病気は、大きく2種類にわかれます。
・神経が原因のもの
・神経以外が原因のもの
の2つです。
<神経が原因の場合>
原因として、脳の血管や神経の病気、交通事故などによる脊髄損傷などがあります。
脳や脊髄など、からだの中心の神経になんらかの異常があるとこちらが疑われるということです。
<神経以外が原因の場合>
ふだん外来に来られるかたはこちらのパターンが多いです。
原因としては、加齢による膀胱の変化、膀胱の血の流れが悪くなったり、炎症が起こったりすることのほかに、
自律神経の異常、ホルモンの異常、男性だと前立腺肥大症などがあります。
・診断と検査
- 問診、スコア表
過活動膀胱の診断には、まず症状をくわしく聞くことが必要です。
具体的には、頻尿、尿もれ、すぐ行きたくなるかどうかなどをチェックします。
そこで使われるのが、過活動膀胱症状スコア(通称:OABSS)です。
これを患者さんに記入してもらうことで、過活動膀胱の重症度などを知ることができます。
合計点が5点以下:軽症、6~11点:中等症、12点以上:重症とされています。
気になる人は画像を参考にスコアをつけてみてください!
- 排尿記録
こちらもよく泌尿器科で用いる検査ですが、排尿記録というものがあります。
これは、1日の昼間、夜間の尿の回数や量を記録してもらうものです。
だいたい3日間ほど記録をお願いする場合が多いです。
水やお茶などを飲んだ量もあわせて書いてもらえると多くの情報が得られるので
その後の診断や治療にものすごく役立ちます。
頼まれた方はぜひしっかり記入して持ってきてもらいたいと思います。
泌尿器科全体からのお願いです!笑
- ウロダイナミクス
聞きなれない言葉を出してしまい、すいません笑
簡単に言うと、これは膀胱の圧力やお腹の圧力を測りながら、
そのひとがどうやっておしっこをためて、そして出しているかを調べる検査です。
なかなか症状が改善しない場合や、ほかの病気が疑われる際に行われることがあります。
・注意点
過活動膀胱として治療が始まってもなかなか症状がよくならない場合。
そしておしっこがたまっているときに、膀胱が痛む場合は
膀胱癌の一種やほかの病気の可能性があります。
そうした場合は追加で検査を行って精査する必要があります。
・まとめ
いかがでしたでしょうか。
実は多くの患者さんがいる「過活動膀胱」の原因や検査などについて解説しました。
治療についてはまた別の記事で解説しようと思いますので、
興味のある人はぜひそちらも読んでみてください!
それでは、うろろでした。
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